私は、現在Webディレクター&Webデザイナーとして働いています。
そして、職業訓練校を出た後の初のキャリアが、正にWebディレクターでした。
ですので、未経験からWebディレクターになるのは、十分可能ですし、募集でもWebディレクター未経験の募集を見たことがあります。
続いて独学で勉強をしてからWebディレクターになれるのかも十分に可能です。
ただし、その場合まずは会社に入ってWebディレクションの仕事を教えてもらうことをオススメします。
キャリアとして最短でWebディレクターになっても、遠回りになる可能性もあるからです。
Webディレクターの仕事内容とは?
では、まずWebディレクターの仕事内容から紹介します。
就業先によってWebディレクターの仕事内容は変わりますが、以下のようなことはマストでしょう。
お客さん(クライアント)から、どんなサイトを作りたいか詳しく聞いて、それをデザイナーやコーダーに依頼をしてホームページを完成させる仕事
まず、制作前に営業から、ページ数とどんな機能をつけて、いつまでに、いくらで作成が可能ですか?と聞かれます。
そして、Webディレクターが、制作にかかる工数(時間)を計算して、売上分をプラスして出した価格をお客さんに伝えます。
それでお客さんの方もOKなら、契約書をお送りして契約を結ぶ流れとなります。
そして、契約後、お客さんと打ち合わせをします。
作るホームページは、どんなデザインで(※カラーはどんなものでどんなフォントが良いなど)、どのような機能がついたものか具体的に聞きます。
デザインなどは競合でチェックしているところがあるのか聞きます。
機能については、お問い合わせフォームであったり、ショッピング機能、ブログ機能、会員機能などをつけるか?などのお話となります。
お客さんから聞いた内容をこちらでまとめて、デザイナーに依頼となります。
、どんなイメージで作成をするか?のイメージを伝える資料と、
デザインの設計図となる、テキスト入りのワイヤーフレームと、参考にしているデザインの取り入れたい箇所、使ってほしいロゴやフォントをデザイナーに伝えます。
そして、完成されたデザインをお客さんに見せ、OKなら今度はコーダーに依頼をして、PC、スマホで見れるようになればテストサーバーで確認してもらい、修正をしながら納品という流れです。
Webディレクターは連絡、チェック役
業務としては他にも、
お客さんから写真やテキストをいただいたり、デザイナーが作成したデザインのチェック、できたデザインをお客さんに確認する連絡など、指示、連絡とチェックが主な仕事でもあります。
もし、お客さんからデザインを変えてほしいと言われた時は、お客さんから聞いた内容をWebディレクターが咀嚼し、Webデザイナーに伝えます。
お客さんはデザインについて知識がないので、Webディレクターがわかりやすく聞き出します。
ときには簡単にデザインを修正してみて、聞き出す時もあります。
デザインに修正があれば、コーダーにも、デザインを元に指示内容を書き足し依頼を行います。
※ボタンを押すとどんなアニメーションをするのか?、ボタンを押すとアコーディオン表示をされるなど
そして、コーダーがコーディングしたサイトを、Webディレクター側がブラウザで最終チェックをして抜けがないか調べます。
チェックがOKであれば、お客様に連絡をします。
そして、最終的にお客さんのOKをいただいて、納品することが一般的な仕事内容となります。
Webディレクターは、Webデザイナーを経験しているほうがいい?
元々WebディレクターはWebデザイナーよりも上流工程になるため、WebデザイナーがステップアップしてWebディレクターになることが一般的でした。
しかし、近年ではWebディレクターから、キャリアがスタートしている例も多く見受けられます。
その理由は会社側の都合があり、下記のような
ケースがあるかと思われます。
私がはじめに入社した会社も、営業が外注を繰り返しているうちに専門化しWebディレクターになったというケースでした。
Webデザイナーとしてホームページを制作をできる方が、Webディレクターとして様々な点で有利
有利な点として、Webデザイナーをやっていれば、お客さんの要望をデザインとして表現することができるからです。
お客さんから修正を依頼された時も同様です。
デザインは、お客さんのイメージやニュアンスを言語化しなければなりません。
例えば、お客さんから「もっとかっこよく作ってよ」と言われた場合、
【お客さんにとってのかっこよいもの】は何であるか?どんなものであるか?把握できなければなりません。
例でいうと、お客さんのかっこよいを理解するために、デザインのサンプルを様々見せて、お客さんの趣向を読み取ります。
そしてお客さんのかっこよいというイメージが、【仮に英語の文字がたくさん使われているものの場合】それを修正項目に付け加えどう表現をするか、デザイナーに依頼をしなければなりません。
もし、あなたがデザイナーの経験があれば、デザイナーに依頼をするときにより具体的に(フォントは何を使う、グラデーションなどの効果を使うなど)デザイナーに説明ができるため、より完成イメージに近いデザインが出来上がってくる可能性は高いでしょう。
同様にコーディングやwordpressの知識もある方がよい
これはコーディングにも言えることで、
からです。
また、お客さんから修正依頼があった場合もWebディレクター側でも対応ができるのも利点です。
制作会社は修正回数というのが決まっており、その回数内でおさめるのがWebディレクターとして大切ですが、もし、お客さんの対応が遅かったりチェック漏れがあった場合は、Webディレクターが修正できれば、余分な費用ややり取りが発生しません。
こいつ素人だと思われると、見積り金額で値段を高めに言われて、それが高いか安いかもわからないので、コーディングの大体の時間数を把握できる方が望ましいでしょう。
web制作ができなければ、webディレクターが難しい面とは…?建築で例えると
Webデザインができなければ、何故Webディレクターとして難しいと言えば建築で言うとわかりやすいかと思います。
あなたがお客さんから、今流行っているデザインで建てて欲しいと言われた際に、建築の知識がない素人ですと雑誌やネットから、お客さんが言っているイメージに似ている建物の写真を選んで、設計士に依頼するしかありません。
でもそれで、完成した建物にお客さんらが納得すると思いますか?
きっと、まぁまぁいいけれどとても満足にはなりにくいでしょう。
その理由は、家を建てる時には、土地の広さや形、家族の人数、年齢、内観の好みや予算感、全てを考えて家を設計しなければいけないためです。
これと同じようにWebデザインも、すでに似たサイトに似せただけではお客さんの希望を叶えることになりません。
なぜならお客さんの好みも理解したうえで、お客さんの会社の特徴を活かし、ターゲットに伝わる最適なオリジナルのデザインにしなければいけないからです。
Webデザインができない場合のWebディレクターは…?
かと言ってデザインができないから、Webディレクターができない訳ではありません。
事細かにヒアリングをして、設計図となるワイヤーフレームを作り、お客さんに確認をして、了解を得てからデザインに進めばズレは少ないでしょう。
その際に注意をしたいのが、依頼をするデザイナーです。
こちらが指示したことが伝わらなければ、イメージと全然違うデザインが出来上がってくる場合があります。
また、腕の良くないデザイナーに頼んでも、期待をするデザインとはならないでしょう。
ですが、それでも発注の仕方が悪い、イメージが伝わらないと考え細かにイメージを伝えるように工夫をしましょう。
素人Webディレクターは使えない。会社でキチンと学ぼう。
冒頭でお伝えをしましたが、いきなりフリーランスのWebディレクターになることはオススメをしません。
それは、
つまりお客さんのクレームになるばかりか、制作側へ負担や迷惑をかけることになります。
私が見た限り10年前に本格的なWebディレクションを学べるものは、サイトや書籍ではあまり見受けられませんでした。
営業と同じように実際に業務をしてみなければ、わからないという点もあるからです。
書籍では、大型の受注をイメージさせるものばかりで、小~中規模案件には適していない内容で、それだったらWebデザインを勉強した方がいいんじゃない?って思います。
あくまでどんな仕事をするのかの知識がのっているだけで、実務的とは正直言えません。
ですので、どこかの会社にはいってWebディレクションを教えてもらうのが、Webディレクターとしては必要でしょう。
素人のWebディレクターの仕事は周りが大変な想いをする…
ここまでWebディレクターで初心者の人がしないほうがよいと言っているのは、
私が以前何度か素人のWebディレクターから依頼をされ大変なことになったからです。
などがありました。
もちろんいただいた仕事ですから、頑張って乗り越えましたが、もう二度とその人の仕事は受けたくありません。
直接お客さんから、私が話をした方がスムーズに制作も進むでしょうし、余分な修正も工数もかかりません。
デザイナーとしても、制作の常識を知らず、デザインができないWebディレクターから無茶な注文をされなければいけないのか…と思いました。
きっと、思うのは私ばかりではないでしょう。twitterなどを見ていても素人Webディレクターのそのような話を聞きます。
Webデザインやコーディングの費用というのは、どれくらいの時間で作れるか工数を計算した金額に、利益をのせ請求されます。
それなのに修正が多く、時間がかかった場合、会社の利益は減るどころか赤字になる場合もあるからです。
人を動かすのにはお金がかかることを念頭に考えておきましょう。
webディレクターは、お客さん、デザイナーやコーダーともうまくコミュニケーションをとる必要がある
Webディレクターは、依頼をすれば、命令をすればいいから楽そうなイメージもあるかもしれません。
でも、決してそうではありません。
Webディレクターは、人への指示系統となるため、様々な人と交渉ができなければなりません。
お客さんの中にも、デザイナーやコーダーの中には、良い人もいれば、常識の通じない人もいます。
イエスマンではいけません。
お客さんの無茶な要望を飲み続けて、デザイナーやコーダーに依頼をしては、結果、工数がふくらみ、無茶をさせたデザイナーやコーダーが不満を持つこともあります。
それでは、全員が損をすることになってしまいます。
そうではなく、お客さんから要望があった場合は、制作時の決まりごとを把握させ、どこまでなら対応が可能か交渉をし、無茶な案が来た時は別案を提示し、デザイナーやコーダーへの負担も減らしつつ、修正があった場合もデザイナーやコーダーへうまく伝えて、信頼を失わないようにすることも大切です。
信頼をされなければ、連携がとれないからです。
webディレクターが副業に有利な面
さて、Webディレクターが有利な面が副業です。
通常デザイナーやコーダーは、制作をするために必要な時間が多いですが、Webディレクターであれば、デザイナーやコーダーにうまく指示をすることによって、働く時間が短くても案件を完了させることができます。
そのため、土日や仕事終わりなどに副業として行うには最適かもしれません。
ただし、あくまでもこれは制作が順調にいった場合です。
なにかトラブルがあった場合は、指示連絡役がWebディレクターのため大変になるリスクもあります。
まとめ
Webディレクターは独学でなれない訳ではありません。
しかし、会社で学ぶことが最短で学べるので、まずは会社で学ぶことをオススメします。
もしくは、Webデザインから学んでそこからステップアップとしてなるのが正道です。
それが結果、お客さんにも、デザイナーやコーダーなどの制作者にも、本人にも良いでしょう。
ぜひWebディレクターになりたいと思った時に、今回の記事が役にたてばと思います。